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風邪は治りかけているようだが、まだまだ体調はもうひとつ。来月上旬、紅葉の山に登ることができるかなあ。
「森の紳士録ーぼくの出会った生き物たちー」(池内紀 著 岩波新書)を読んでいると、ツキノワグマに出会った日を思い出した。
数年前、滋賀県の比良山系の西側・坊村から京都北山に抜けているときのこと。新緑の時期で、まわりはブナやコナラなどの緑一色。
登山道をひとり歩いていると、斜面から草を分けるような音が聞こえる。最初は、「山菜採りの人が斜面を降りていってるのかな?」と思った。
で、登山道から斜面を覗くと、新緑の中に黒い物体が見える。
はい、熊のお尻でした。
その距離、数十メートル。
彼(彼女?)は、こちらにはまだ気づいていない様子。
アドレナリンが急激にあがり、
私のとった行動は、
ザックからデジカメを取り出し、熊を撮影しようとしたこと。
うーん、あとで友人に「その行動、変!」と言われました。
ザックを漁っている音に熊も気づき、いっきに斜面を駆け下りていき、新緑の海に隠れてしまった。
このころ山を歩いたのは200回目くらいだったから、比較的早い確率で熊と遭遇したことになる。
それにしてもデジカメで画像をとれなかったことが、最大の後悔。
ツキノワグマは、ヒグマと違い草食動物だし、性格も臆病。熊の方はなるべく人間に出会いたくないと思って、行動しているのだ。
その後、芦生の森などに籠もって、熊などの気配は感じても、遭遇はしていない。
もう、確率論をすべて使ってしまったのかもしれない。
この「森の紳士録」には、わたしが森で出会った動物や樹木のことが、興味深く書かれている。
わたしはブナの木が大好き。
森を歩いて、ブナの大木に出会うと、そっと手で触れ、
耳を樹肌につける。
なにも音は聞こえないが、心が不思議と落ちついてくる。
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