最近、この人の本、よく見かけるなあと思いながらも、あまり手にすることはなかった。「唯脳論者でしょ」とか「脳が・・・云々という議論は興味ないなあ」という印象。
でも、この本、書店で見かけると、なにか惹かれるものがあった。
まず、題名。
「クオリア降臨」。当初の案は、「脳の中の文学」という凡庸なもの(あとがき)。
そして本の表紙(ごていねいに裏面も)に茂木先生の顔写真が現れる。こんなにバーンと著者の顔が、表紙に現れるのは姜尚中、斉藤孝の著作以来ではないか。
そしてこの茂木先生の写真、俳優の古田新太に、なんか似ている。
で、本文を読み始めると、知的な興奮を呼び起こさせるんだなあ。
これは文芸時評なんだろうか。いやちがうだろう。文脈(テクスト)を離れることによって、見えてくるものがあるような。
この本の初出誌は、「文学界」。いまや「文学オタク」のためにしか存在していない雑誌であることからも、「文学」をターゲットにしていることは確か。
でも、もっとひろく私たちの根源的な意味をこの本は探っている。
村上春樹やネット、ブログの世界にも言及しながら(すべてに好意的ではないが)、硬質な文体が、ゴツゴツと私たちの頭に入ってくる。
うかうかとは読み過ごせない、手強い本です、これは。
最初の部分にある「皇帝ペンギン」の逸話は、著者のたくらみの出発点だ。
まだ、読書中。
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