この本の帯はー「秘めごと」だからこそ愉しい、哀しい、美しいー。
文藝春秋のサイトの紹介はもっと直截的。
ー輝ける「ちょいワル」文士に学ぶ、カッコいい老後 ー 良き家庭人なんてクソくらえ。良識やモラルに背をむけた、荷風や谷崎、啄木などに、行き方を模索する。老いが迫った日本男児必読
谷崎潤一郎や永井荷風などはすでにもう有名ですよね。
この本では徳田秋声や斎藤茂吉の老いらくの恋も描かれる。
しかし「礼賛」するものだろうか。
道徳的になどという思いは、まったくない。
北上次郎の名著に「情痴小説の研究」という本がある。こちらのほうが、人間の優柔不断さを描いていておもしろい。
基本的に、情痴小説=私小説というのはあまり好きじゃない。
私小説が、想像力をふさぐ感がするからだ。1970年代に上映されたアートシアター系の独り言のような映画もしかり。
現在の、映画や小説のようにステージや表現も「私小説めかない」ほうが、私たちの想像力をかき立ててくれるのではないか。
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