今日は雨の土曜日。
最近読んだ本。
■後半生のこころの辞典
下流老人とか老後破産とか、不安を煽る老後が提示されている。それらは経済的視点から見た老後だけど、「人は平等に老いる」ということ、それを老年行動学視点から解明した本。
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年老いていくということは経済的、身体的、そして心理的に「未来展望」の契機が少なくなっていくことだろう。
卓見だなと思ったところをブックマークしているが
・スケジュールが何もないのは、人間にとって解放ではなく束縛なのです。
再雇用で働いているけど、組織原理のなかで生きていることは「自分とは何か」ということに悩まされなくてよいという面がある。居酒屋でグダグダと会社の文句を言っているサラリーマンと同じ処に自分はいる。だから完全引退までに今の時期は人生のターミナルポイントなんだと弁えたほうがよろしいでしょう。
・居場所とは、「誰かとともに、何かをする場所」をさします。つまり、人との関わりを前提とした言葉なのです。
・生きがいには「自己実現的生きがい」と「対人関係的生きがい」があります。
・家族介護には「ケアがコントロールに変わる」という落とし穴があり、相手を思いやる気持ちから始まったことが苦痛になるという、アンビヴァレント状態に陥ってしまうのです。
・アンチエイジング、老化への抵抗は、突き詰めると老いの拒否、弱さの否定に行き着きます。
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大人になって仕事をするうちに、社会人としてのアイデンティティができ、夫や妻、父親は母親としてのアイデンティティができ、さまざまな役割アイデンティティができて、いつの間にか「自分とは何者か?」という問いを発することも、なくなったのではないでしょうか。
・日本人の健康寿命は男性が71.19歳、女性が74.21歳。平均寿命との差は男性が約9年、女性が約12年です(2013年厚生労働省)。
経済記事などを読むと、老後資金のためこれくらい貯めておけ、それが無理なら現在の老人は昔と比べて元気なのだから70歳までは働け、とか提言する記事が多い。そしてそれを書いている人は老人ではなく4ー50代のファイナンシャルプランナーなどが多い。
やはり60歳定年説は妥当なラインじゃないかな。私も現在は病気もケガもしたことがないけど集中力の低下は感じる。70歳になればロードバイクに乗るのもなかなか大変でしょう(苦笑)
今年で私も63歳、最長でもあと2年働いて組織原理からは引退、老人のライフスタイルに移行するのがよろしいでしょう。
・孤立と孤独は似ていますが、孤独があくまでも主観的なものであるのに対して、孤立は社会的な関わりがないという客観的な状態をさします。
・困難を自分で解決しようとする気持ちは尊いものですが、それに固執すると、人生を最後まで幸福にいきることができません。人生の後半を幸せに生きるには、心の垣根を低くして自己開示すること、自分の弱さを人に見せられるようになることが重要です。
耳が痛い。私は大病も怪我もしたことがないので、どうしても「強者の論理」で生きてきた傾向がある。
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